シラバス照会 照会
2022年度
授業科目名 計量経済学
担当者 森田 学
開講時期 通年 単位 4
サブタイトル
経済現象を数量的に分析する
科目の概要
 計量経済学とは、経済学の中で用いられている理論を立証したり反証したりするために、経済データの分析に回帰分析を基礎とする統計的手法を活用することと言える。マクロ経済学で登場する消費関数を例に説明すると、「所得が増えたとき、消費はどの程度増えるのか?」との問いに「答え」を返すとともに、数学的な表現を用いて特定化された消費関数が現実世界を上手く説明できるかどうか検証するのが計量経済学と言える。
 この授業では、回帰分析の理論的側面について学ぶとともに、コンピュータを用いた演習を通じて、経済現象の背後にあるメカニズムを定量的に捉え、統計的に検証できるようになることを目的とする。
授業の進め方
 本講義では、表計算ソフトを用いた演習を通じて、回帰分析の理論的な側面とともに、経済理論などから導かれる仮説をデータを用いて検証する方法、自己相関、不均一分散など経済分析に特有な問題への対処方法について学びます。
 なお、本講義では、段階的かつ継続的な学習が求められます。欠席すると知識の積み重ねが出来ず、以降に習う内容の理解が困難になります。また、毎回授業後に課題に取り組む必要があります。
授業の到達目標
① 回帰分析を経済統計データに適用する際に生じる問題と対処法について説明できるようになる。
② 経済理論が現実を上手く説明できるかどうか、経済統計データを用いて検証できるようになる。
③ 経済統計データを用いて回帰分析を行い、経済変数間の関係を定量的に評価・解釈できるようになる。
授業計画
【前 期】
1 計量経済学とは?
2 データの整理(基本的なデータの整理)
3 データの整理(ヒストグラム)
4 最小2乗法の考え方
5 最小2乗推定値の求め方
6 回帰直線,理論値,残差
7 回帰直線のあてはまりの尺度
8 最小2乗法(実証例)
9 t検定
10 説明変数選択の手段としてのt検定
11 モデルの仮定と最小2乗推定量の性質
12 単回帰分析(実証例)
13 多重回帰分析の基本的な結果
14 多重回帰分析のExcel例
15 前期の振り返り

【後 期】
1 多重回帰分析の係数推定値の解釈
2 多重回帰モデルのあてはまり(自由度修正済み決定係数)
3 多重回帰分析(実証例1)
4 多重回帰分析(実証例2)
5 デフレーター,名目変数の実質化
6 多重回帰分析の拡張:モデルの関数型
7 多重回帰分析の拡張:ダミー変数
8 多重回帰分析の拡張:ラグ変数
9 多重共線性
10 F検定:F検定の考え方
11 F検定:線型制約のテスト
12 攪乱項の系列相関
13 攪乱項の不均一分散
14 数量化1類・数量化2類
15 全体的な振り返りと総括

成績評価基準
① 回帰分析を経済統計データに適用する際に生じる問題と対処法について説明できる。
② 経済理論が現実を上手く説明できるかどうか、経済統計データを用いて検証できる。
③ 経済統計データを用いて回帰分析を行い、経済変数間の関係を定量的に評価・解釈できる。
定期試験
 前期定期試験:なし
学年末定期試験:なし
成績評価方法
計量経済学の分析手法を理解しているか、数式で表現された経済理論をデータを用いて検証できるか、分析の結果を適切に評価・解釈できるかどうかを見る。

授業毎の課題(40%)
前期レポート(20%)
後期レポート(20%)
後期小テスト(20%)
教材

種別 著者 書名 出版社 出版年
テキスト 山本 拓・竹内 明香 入門計量経済学 ― Excelによる実証分析へのガイド 新世社 2013
参考書
 山本 拓(1995)『計量経済学 』新世社 
 白砂 堤津耶(2005)『例題で学ぶ初歩からの計量経済学』日本評論社
 田中 隆一(2015)『 計量経済学の第一歩』有斐閣
(理解の追いつかなかった部分は、参考書を用いて補強してください。)
準備学習(予習・復習)等
<予習>
 教科書を読んでおくこと。
<復習>
 講義資料を読み直し、授業毎に課される課題に取り組むこと。
受講における注意点
・経済統計学または同等の授業を履修済、もしくは並行履修していることを前提とする。
・マクロ経済学を履修済、もしくは並行履修していることを前提とする。
・Excelを用いたパソコン演習をおこなうため、基本的なPCスキルがある「合計関数を使った、基本的な表の作成ができる」ことを前提とする。

※manabaにてレポート等の指示をするので、毎週、確認すること。