シラバス照会 照会
2013年度
授業科目名 グレート・ブックス
読替え科目 [現代]グレート・ブックスA
担当者 鹿島 秀元
開講時期 後期 単位 2
サブタイトル
空気は読むな.本を読め!発言せよ!
ひとことガイド
 多種多様な本を読むことにより,読書の習慣を修得し,読書の楽しみに気付く端緒と成し,同時に,様々な事を思考して自分の考えや意見を発言し,右顧左眄の状態から脱却し視野を広げる端緒と成す,という講義である.
授業の概要
 「空気は読むな.本を読め!発言せよ!」というテーマの下,「意見発言の場において銘銘は常に対等であり,忌憚の無い意見交換により本質が見えてくる.凡そ学問は忌憚の無い意見交換を介して発展してきた」という担当者の信念に基づき,本講義は次の様に為される.
 受講者には多種多様な(担当者の専門=「数学」を主軸に,教育・社会等の異種分野も視野に入れ選定した)本を読んで頂く.この事は結果として受講者が,担当者の「数学」中枢,精・濫読混在読書スタイルを実体験する事になる.受講者は,唯唯読読する(担当者造語,意味は唯唯諾諾と本を読む)のではなく,深い思考を伴って読書する事が肝要である.原則1週間に1冊である.読んだ本の内容を基に,多くの事を自分の頭で考察し,天動説が偽であったように,必ずしも真とは限らぬ多数意見に無根拠に追従する事なく,各自の根拠の有る考えや意見を積極的に発言して貰う.即ち「皆がそういう意見だから自分もそうである」という小学生レベルの付和雷同な思考停止型の意見ではなく,「○○という根拠で自分は□□と考え,多数意見とは異なる,或いは同じである」という類の意見発言が要求される.勿論,率先垂範,担当者自身も積極的に発言する.また,発言ばかりではなく,時には各自の考えを文章として纏めて貰う.受講者には,担当者の読書スタイルの長短を取捨し,独自の読書スタイル確立の契機とする事を要望する.
授業の到達目標
①深い思考を伴って読書し,内容把握を十分なものとする.それを基に,根拠を伴った考え方が出来る.【知識・理解(基礎的実学)】
②真面目に出席・受講し,自分の考え,意見を積極的に発言する事が出来る.【態度・志向性(思いやりと礼節)】
③読書を通して,多角的視野・思考力を涵養し,物事を柔軟に思考出来る礎とする.【総合的な学習経験と問題解決力(柔軟な思考力)】
④読書の習慣を身に付け,読書を享受する.【汎用的技能(楽しい生き方)】
優先順位は,高い順に①>…>④である.
授業計画
【後  期】

1 『一流の人は空気を読まない』堀 紘一/角川書店
2 『君たちは何のために学ぶのか』榊原英資/文藝春秋
3 『ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣』美川あきこ/祥伝社 
4 『「つまらない大人」にはなるな!』川北義則/PHP研究所
5 『社会人の生き方』暉峻淑子/岩波書店
6 『「友だちいない」は“恥ずかしい”のか』武長脩行/平凡社 
7 『軸のある人、ブレる人』山崎武也/講談社
8 『大学の思い出は就活です(苦笑)』石渡嶺司/筑摩書房
9 『ひっかかる日本語』梶原しげる/新潮社
10 『頭の体操BEST』多湖輝/光文社
  『あなたは自分を利口だと思いますか?』ジョン・ファーンドン/小田島恒志/河出書房新社
11 『「計算力」を鍛える』斎藤広達/PHP研究所
12 『「大発見」の思考法』山中伸弥/益川敏英/文藝春秋
13 『知っていそうで知らないノーベル賞の話』北尾利夫/平凡社
14 『禁断の魔術 ガリレオ8』東野圭吾/文藝春秋
15 『塵劫記』吉田光由/岩波書店
  『世界は数学でできている』立田 奨/洋泉社
成績評価基準
①読んできた本の内容を基に,根拠を伴った意見,考えを発言し,文章化出来るか.またその内容は十分なものか.
②出席回数,発言回数は十分なものか.また,受講態度に積極性が見られるか.
③1つの考え方に拘束されず,多角的視野で他の様々な意見を理解する事が出来るか.
④選定した本以外の本を自発的に読んでいるか.
成績評価方法
 上記項目「成績評価基準」の①~③は,通算出席回数をa回(全15回),担当者が内容有る発言,文章と認めた通算回数をb回(但し,1回の講義での内容有る発言,文章と認める回数は5回を超えて計上しない.全5×15=75回)とし,A=10×a(150点満点),B=2×b(150点満点)の合計点A+Bで確認する.④は,選定本以外の担当者が認めた本の内容に関する400字以上のコメント提出1回に付き6点満点で評価し,その合計点Cで確認する.100点を上限とし,(A+B+C)/3を超えない最大整数を最終評価点とする.注意:出席のみでは単位認定出来ない:全出席でA=150でもB+C≦29だと最終評価点<60.
教材
 受講者が読むべき選定された(上記項目「授業計画」中に提示されている)書籍は,全て図書館のグレート・ブックスのコーナーに用意されている.従って,敢えて自ら用意する必要は無い.
学習上の留意点
 本講義は上で注意喚起した通り,出席するだけでは単位取得出来ない.指定された本を事前に必読し,その内容についてよく考えて,積極的に自らの意見や考えを根拠を示しながら発言出来る準備が要求される.講義で,内容が無いような意見は困る.空気は読まなくてよい.本を読み,考え,多数意見に左右されず発言せよ.尚,本講義は知的好奇心を刺激する工夫が随所に凝らされている.例えば,本講義11回目に実際扱う内容だが,A=12345679に1桁の数aの9倍,9aを掛けるとA×9aの計算結果は,aが9個並ぶ:a=7なら12345679×63=777777777.この類の不思議さに知的好奇心が刺激される受講者を歓迎する.
授業準備
 知的好奇心を沢山,持参する事.