2013年度
授業科目名 | 経済政策 | ||
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担当者 | 豊山 宗洋 | ||
開講時期 | 通年 | 単位 | 4 |
サブタイトル | ||||||||||||||||||||
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人びとの経済生活を豊かにする政策について考える | ||||||||||||||||||||
ひとことガイド | ||||||||||||||||||||
「所得はどうしたら増えるの?」、「失業を減らすため、あるいは物価の安定のためにどういったことをしたらいいの?」、「国内で特定の人たちだけでなく、より多くの人が豊かになるには、誰からどのようにお金を集め、誰にどのように渡せばいいの?」といった問題をみなさんの興味があるような事柄と関連づけてお話します。 | ||||||||||||||||||||
授業の概要 | ||||||||||||||||||||
経済政策という言葉は、経済に関するいろんな政策を包括的に呼ぶときに使われます。その内容は非常に広く、いろんな切り口での接近を可能にしますが、そのことが混乱を生じさせる原因ともなります。前期では、まず総論として個々の経済政策に共通して当てはまる議論を整理します。それゆえ本講義の第1の目的は、範囲の広い経済政策の分野を整理して見ることのできる能力を培うことにあります。各論では成長政策、安定化政策、分配政策という観点のもとに個々の政策を見ていきます。成長政策では経済成長の要因を分析したあとに、個々の要因を促進するための方法について学びます。安定化政策では財政政策と金融政策、さらにそれらの組み合わせについて学びます。後期は分配政策がメインとなり、なかでも社会保障政策に力点をおきます。そこでは年金、医療、介護、社会福祉の問題が取り扱われます。社会保障に関連するかぎりでNPOについても触れます。それゆえ本講義の第2の目的は、個々の政策について主要な制度、問題を理解するというところにあります。講義では、学んだことを今起きていることと極力関連づけるよう努力するつもりです。テレビ、新聞をできるかぎり多く見て、関心をもって講義に望んでほしいと思います。そしてここから本講義の第3の目的が出てきます。それは本講義で学んだことを通して、現実の経済問題に関心をもち、自ら考えようとする姿勢を養うことです。 | ||||||||||||||||||||
授業の到達目標 | ||||||||||||||||||||
経済政策の広い範囲を整理して見ることができるようにする。
成長政策、安定化政策、分配政策の基本的な理論、制度を理解する。 授業で学んだことを現実の経済問題を見る際の手引きとして使う姿勢を養う。 |
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授業計画 | ||||||||||||||||||||
【前 期】
1 部門別、問題別、地域別の経済政策分類:経済政策とは何か 2 循環局面別、マクロ経済の目的別(成長政策、安定化政策、分配政策)の経済政策分類:経済政策とは何か 3 経済政策の目的 経済成長、経済的安定、経済的公正:経済政策とは何か 4 保守とリベラルの経済政策思想:経済政策とは何か 5 ケインズとベヴァリッジ、ハイエクとフリードマンの経済政策思想:経済政策とは何か 6 ロールズとセン、エスピン=アンデルセンの経済政策思想:経済政策とは何か 7 理論と政策決定、国会、内閣(経済政策の決定プロセス):経済政策とは何か 8 官僚、利益団体(経済政策の決定プロセス):経済政策とは何か 9 経済成長の仕組み 資本ストック、労働、生産技術:成長政策 10 成長政策の手段 貯蓄促進、投資促進、労働投入の増加促進、技術進歩の促進:成長政策 11 財政政策の理論、減税と公共事業:安定化政策(財政政策) 12 日本の財政制度、一般会計、特別会計:安定化政策(財政政策) 13 予算ができるまでの流れ:安定化政策(財政政策) 14 金融政策の理論と実際、オペレーション、マネーストック:安定化政策(金融政策) 15 金融システム安定化政策、不良債権、BIS規制:安定化政策(金融政策) 【後 期】 1 IS-LM分析:安定化政策(財政政策と金融政策) 2 海外も考慮したときの財政政策・金融政策:安定化政策(財政政策と金融政策) 3 個人所得税、所得控除、超過累進税率:分配政策(税金政策) 4 消費税と所得税との比較:分配政策(税金政策) 5 概論、リスク分散機能、所得分配機能、社会保険方式と社会扶助方式:分配政策(社会保障政策) 6 年金政策、国民年金、厚生年金、共済年金:分配政策(社会保障政策) 7 年金政策、国民年金の未納問題:分配政策(社会保障政策) 8 医療政策、協会けんぽ、組合健保、共済組合、国保:分配政策(社会保障政策) 9 医療政策、前期高齢者、後期高齢者:分配政策(社会保障政策) 10 介護政策、介護保険の導入の背景としくみ:分配政策(社会保障政策) 11 介護政策、介護サービス事業者をめぐる諸問題:分配政策(社会保障政策) 12 福祉政策、社会福祉基礎構造改革、措置から契約へ:分配政策(社会保障政策) 13 福祉政策、制度と運動:分配政策(社会保障政策) 14 NPO政策、ボランティア・市民活動団体・NPO:分配政策(社会保障政策) 15 NPO政策、市場の失敗、政府の失敗、NPOの意義:分配政策(社会保障政策) |
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成績評価基準 | ||||||||||||||||||||
経済政策の広い範囲を整理して見ることができるか。
成長政策、安定化政策、分配政策の基本的な理論、制度について理解しているか。 授業で学んだことを現実の経済問題を見る際の手引きとして使おうとする姿勢をもっているか。 |
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成績評価方法 | ||||||||||||||||||||
①確認テストを受けた学生の場合:期末試験と確認テストの2つで評価します。
②確認テストを受けなかった学生の場合:期末試験のみで評価します。 備考)確認テストを受けた学生は、期末試験で不合格の場合、点数に確認テスト分をプラスします(合格点に達する可能性があります)。受けていない学生は不合格の場合救済しません。 |
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教材 | ||||||||||||||||||||
理解を容易にするため、基本的に毎回プリントを配付します。 |
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学習上の留意点 | ||||||||||||||||||||
学年末の試験では①自筆ノート(コピー不可〔念のため〕。ワープロ書き不可〔コピーとの区別がつかないから〕)、②配付プリント(これはコピー可)の持込は可にします。試験中にチェックをしますので、試験前には各自きちんと準備をしてください。日頃からの整理整頓が大事です。講義にスムーズに入るために、授業が始まる前に前回やったことをノートで確認しておいてください。 | ||||||||||||||||||||
授業準備 | ||||||||||||||||||||