2013年度
授業科目名 | 計量経済学 | ||
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担当者 | 佐和 良作 | ||
開講時期 | 通年 | 単位 | 4 |
サブタイトル |
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経済理論の正しさを現実のデータで証明する |
ひとことガイド |
変数と変数の関係をデータを使って数式に表す。 |
授業の概要 |
経済理論で取り扱っている経済変数や経済主体の相互関係を数量的に分析するために利用されるのが計量経済学の手法である。計量経済学の手法は実証的な理論研究分野だけでなく、各種の研究機関等が発表している経済予測や経済企画庁が毎年刊行している「経済白書」での分析などに利用されている。また、金融機関や事業会社などでも商品の需要予測や市場動向の分析にしばしば利用している。
計量経済学を正確に理解し、駆使していくためには、統計学や数学の高度の知識が必要である。しかし、現在のようにパソコンによって計量分析のソフトを簡単に利用できることを前提にすると、必ずしもそうした高度の知識をもっていなくても、計量経済学の手法を利用することが可能である。むしろ、推計結果を正しく理解することや推計結果の意味するところを正確に解釈できるようになることが、計量経済学の手法を利用していくユーザーとしての立場から見れば重要なことである。 講義では、こうした点を考慮して計量経済学の手法と計量分析についてできるだけ分かりやすく、勉強していく予定である。具体的には、相関係数のような簡単な統計量の理解から始め、多変量の経済変数間の関連性をモデル化する手法などについても、さまざまな角度から学習を進める。後期は回帰モデルについてより具体的に理解を深めた上で、計量経済学の手法を使った経済理論の実証分析について学習する。 |
授業の到達目標 |
①数式の展開ができるようになること。
②計量経済学の基本的な手法を理解し、現実のデータを使って分析できるようになること。 |
授業計画 |
【前 期】
1 計量経済学とは何か 2 計量経済学の目的 3 確率モデルとは 4 回帰分析とは 5 なぜ最小二乗法なのか 6 最小分散線形不変推定量 7 パラメータの推計結果をどう解釈するのか 8 モデルの説明力 9 推定誤差の説明 10 確率分布と統計量 11 予測による分析 12 説明変数が二つの回帰モデル 13 関数型について 14 マルティコリニアリティ 15 前期の総括 【後 期】 1 定型化の誤りによって生じる問題 2 回帰モデルにおいて説明変数がn個の場合 3 ウエイト付き最小二乗法 4 系列相関がある場合 5 ラグ変数 6 連立方程式モデルによる分析―理論編 7 連立方程式モデルによる分析―データを使った実践編 8 連立方程式の解法 9 モデルの評価と政策シミュレーションと予測 10 マクロ計量モデルと時系列モデル(時系列分析) 11 多変量自己回帰モデルの推定―理論編 12 マクロ計量モデルによる予測とシミュレーション 13 非定常時系列の経済学 14 計量経済学を実社会でどのように応用していくか 15 後期の総括 |
成績評価基準 |
①数式の展開ができるようになったか。
②計量経済学の基本的な手法を理解し、現実のデータを使って、経済分析ができるようになったか。 |
成績評価方法 |
①前期末の試験50%、後期末の試験50%で評価する。
②出席点は一切考慮しないが、出席してまじめに勉強しない限り単位取得は困難。 ③練習問題を何回か実施するが、回収はしない。 |
教材 |
必要に応じて資料を配布、参考文献は授業中に適宜指示。 |
学習上の留意点 |
①前期、後期の試験では、パソコン、関数電卓以外、すべて持ち込み可。
②単位を取得できる学生は極めて少ないので、まじめに授業に取り組むことができる学生以外は登録しないほうが望ましい。 ③電卓を使用することが多いので、電卓の使い方に慣れておくこと。この授業の場合、予習より復習が必要である。 |
授業準備 |
①ある程度の数学の知識を持っていることがこの授業を受けるための条件となる。 |