2013年度
授業科目名 | 公営ギャンブル論 | ||
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担当者 | 古川 岳志 | ||
開講時期 | 後期 | 単位 | 2 |
サブタイトル |
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競馬・競輪・競艇・オートレースの社会学 |
ひとことガイド |
競馬や競輪など、公営ギャンブルとよばれるジャンルは、どのようなもので、どんな歴史をたどってきたのだろうか。日本社会の歴史や、スポーツの歴史とも関連させながら、考えていく。 |
授業の概要 |
現在、日本では中央競馬、地方競馬、競輪、競艇、オートレースという5種類の公営ギャンブルが運営されている。中央競馬のビッグレースは、スポーツニュースでも報道されるため、一般的によく知られているが、その他の公営ギャンブルについてはなじみの薄い学生が多いだろう。メジャー/マイナーの差はあるが、これらはすべて、特別な法律によって運営された公営ギャンブルであり、数多くの共通点を持つものだ。特に、すべてのギャンブルが、プロ選手によって行われる「競技=スポーツ」に対する「賭け」であることに注目してほしい。今日までのところ、一般には刑法で禁じられているギャンブルが、なぜこれらの競技に対してだけ公的に行われるようになったのか。そこには、戦後の日本社会のあり方そのものが反映した、歴史的経緯があるのだ。
授業では、主に文化社会学の視点から、日本の公営ギャンブルの歴史を振り返る。そのことを通じて、ギャンブルだけでなく、広く今日の日本社会とはどのような社会であるのかを考えてみたい。 |
授業の到達目標 |
公営ギャンブルを社会制度、文化として捉える視点を学ぶ。 |
授業計画 |
【後 期】
1 公営ギャンブル論とは 2 文化社会学の視点から考える「文化」としてのギャンブル 3 公営ギャンブルの現状 4 戦前の日本競馬史 5 公営ギャンブルの戦後史:競輪の歴史 6 競輪を通して考えるギャンブルとスポーツの関係:競輪とケイリン 7 ギャンブルとジェンダー:女子競輪の歴史 8 ギャンブルとジェンダー:女子競輪復活の課題と可能性 9 公営ギャンブルの戦後史:競艇の歴史 10 公営ギャンブルの戦後史:競艇学校と女子選手の活躍 11 ギャンブルとスポーツの物語論:中央競馬人気について 12 地方競馬の世界:歴史と実情 13 地方競馬の世界:馬との暮らし、騎手の生活 14 オートレース論 15 総括と解説:ギャンブル全体の中の公営ギャンブル |
成績評価基準 |
①休まずに出席し、積極的に授業に取り組んだか。
②公営ギャンブルを社会制度、文化として捉えることができるようになったか。 |
成績評価方法 |
①出席および、授業への取り組み状況(80%)
毎回、小さなレポートの提出を求める。ただ出席したかどうかではなく、そのレポートの内容から、授業をしっかりと聞いていたかどうかを判断して、出席点をつける。 ②最終レポート(20%) 最終回に、講義全体をふりかえったレポートを書く時間を設ける。これにより、公営ギャンブルを社会的制度・文化として捉える、という講義の狙いが理解できているかどうかを判断して採点する。 ①と②を総合して、成績を評価する。 |
教材 |
テキストは指定しない。参考図書については、講義中、適宜指示する。 |
学習上の留意点 |
私語や理由のない途中退席などは、いうまでもなく厳禁です。「遊び」であるギャンブルを通しても、社会のさまざまな側面が見えてきます。知的好奇心をもって、参加してください。
授業のあとは、ノートを読み返し復習をするようにしてください。また授業の中で取り上げた本や、インターネットの情報について、自分で探したり、読んだりするように、普段から心がけてください。 |
授業準備 |
特別な準備は不要ですが、授業時間中は内容に集中することを求めます。 |