2013年度
授業科目名 | 都市経済学 | ||
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担当者 | 閻 和平 | ||
開講時期 | 前期 | 単位 | 2 |
サブタイトル | ||||||||||||||||||||
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都市の空間システムを経済学の視点から解明する | ||||||||||||||||||||
ひとことガイド | ||||||||||||||||||||
シム・シティを知っていますか。あなたは何を基準に住宅地や商業地や工業地を配置していたでしょうか?交通を整備したところで、どのような変化が生じていたでしょうか?都市経済学を勉強してゲームの腕が上がるかどうかは不明ですが、都市の動く仕組みが分かってくると思います。 | ||||||||||||||||||||
授業の概要 | ||||||||||||||||||||
都市は現代文明の集積として複雑な社会・経済システムから成り立っている。土地、住宅、交通、環境、公共サービスなど、都市は我々の生活に深く関わる問題を多く含んでいる。都市経済学は経済学の視点から、空間に焦点を当ててこれらの問題を解明する学問である。
本講義は都市経済学の基礎理論を学び、なぜ、都市ができるのか、なぜ都市に大きさの違いが生じるのか、大小の都市の間にどのようなシステム的な関係が存在するのか、土地価格がどのように決まるのか、交通が混雑する時、経済学的にどのように解決すべきか、都市の経済活動や住民の生活などに、地方自治体がどのような役割を持ち、その政策がどのような影響をもたらすかなど、我々の生活に密着する諸問題の発生する仕組みを解明し、経済学的な解決法を一緒に考えていく。 |
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授業の到達目標 | ||||||||||||||||||||
複雑な都市を作り出す基本原理、多様な都市生活行動を律する基本要素を理解し、都市問題の諸相に対応する政策手段を修得し、都市問題を分析する力を養う。 | ||||||||||||||||||||
授業計画 | ||||||||||||||||||||
【前 期】
1 都市経済学とは 都市経済学の独自性とは何か、その基本的な分析視点・分析手法を解説する。 2 都市はなぜ形成されるのか 都市が形成され、発展するメカニズムを経済学的に説明する。 3 都市の定義と都市化 都市とは何を指し、何を基準に都市と呼んでいるのか。世界の都市基準を比較紹介する。 都市化とは何か、都会の生活様式とは何か、日本、世界の都市化動向を解説する。 4 都市圏の概念とその発展プロセス 日米の都市圏の定義を比較解説し、日本の都市圏の変遷を考察する。 クラーセン・パエリンクの都市発展段階説を紹介し、都市圏の発展プロセスを学ぶ。 5 都市はどこに形成されるか ウェーバー工業立地論を中心に、「輸送費用」の働きのもと、都市がどこに形成されるかを考える。 6 都市内の土地市場 土地市場の特性を考察し、地価と地代の関係を理解する。 7 付け値地代と家計の行動 都市内の土地利用、地代、都市の大きさなどの都市の空間構造がどのように決定されるかを分析する。 そのための重要な概念としての「付け値」を学び、付け値地代と家計の行動との関係を理解する。 8 付け値地代と企業の立地行動 都市内の土地利用、地代、都市の大きさなどの都市の空間構造がどのように決定されるかを分析する。 そのための重要な概念としての「付け値」を学び、付け値地代と企業の立地行動との関係を理解する。 9 サブセンターの形成 現代の大都市はサブセンターや複数のセンターを組み込んだ複雑の構造になっている。 サブセンターの形成が都市の空間構造に及ぼす影響を分析する。 10 土地利用の規制 異なる土地使用の間に、外部不経済が発生する可能性が高い。 政府はゾーニングの方法によって市場の失敗に介入する。ゾーニングの歴史を知り、その手法の事例を検討す る。 11 都市システムの形成 クリスタラー中心地理論を学び、規模の異なる都市がどのようにして形成されるかを説明する。 12 都市システムと企業立地 集積の経済と輸送費の関係に基づく工業立地に関する理論、企業間のコミュニケーションを指向するオフィス 企業の立地に関する理論を紹介する。 13 都市における交通問題 混雑の発生メカニズムを明らかにし、混雑を緩和するための種々の手段、特に混雑料金の有効性について述べ る。 14 都市における公共サービス 地方政府による公共財の供給と、その効率性について検討する。 15 総括と復習 |
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成績評価基準 | ||||||||||||||||||||
都市経済学の基礎的諸概念を理解しているか
都市問題を解決するための政策手段について客観的に評価できるか |
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成績評価方法 | ||||||||||||||||||||
定期試験 70%
都市経済学の基礎的諸概念を理解しているかを確認する レポート 30% 都市問題を解決するための政策手段について客観的に評価できるか |
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教材 | ||||||||||||||||||||
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学習上の留意点 | ||||||||||||||||||||
可能な限り、住宅政策、地域経済学と交通経済学も履修することを強く薦める。講義のなかでミクロ経済学の概念が多用されるので、授業の前に必ずテキストの講義部分を予習し、忘れたミクロ経済学の概念をミクロ経済学の教科書で確認して下さい。 | ||||||||||||||||||||
授業準備 | ||||||||||||||||||||
テキストは、講義の理解に大いに役立つので、購入して下さい。 |