2013年度
授業科目名 | 遊戯文化史 | ||
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担当者 | 古作 登 | ||
開講時期 | 後期 | 単位 | 2 |
サブタイトル |
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ひとことガイド |
将棋や囲碁のようなプロの競技者が存在するメジャーな伝統遊戯はもちろん、世界各国で長い歴史と文化的価値を持つさまざまな遊戯、ゲームの存在を知り理解を深めることは、単なる教養としてだけではなく社会生活を営む上で様々な効用を得ることができるでしょう。 |
授業の概要 |
現生人類は生物学的にホモ・サピエンス(知恵のあるヒト)と分類されるが、ホイジンガはホモ・ルーデンス(遊ぶヒト)という呼び方を唱え、あらゆる人間の活動に遊びに関連する要素があると考えた。ホイジンガに影響を受けたカイヨワは著書『遊びと人間』で遊びを4つの要素に分類し、遊びの概念の研究を深めた。この授業では人間が生きるために労働するのと同じようになぜ遊戯をするのかということを、人間の本能や歴史的背景を合わせて知ってもらう。現在世界全体で10億人を超える愛好者を持つチェス・将棋系のゲーム、囲碁やカード系ゲーム、双六のような競争系ゲーム、パズルやデジタルゲームなどそれぞれの特徴を解説し、それらの遊戯がなぜ生まれ、流行し現在においても伝承されているかを理解する。また、ゲームとビジネス、ゲームと人間の心理、確率を主とした基本的なゲーム理論など周辺の知識についても、伝統遊戯をより深く知る上での基礎といえるレベルの解説を行う。 |
授業の到達目標 |
人類の文化史において遊戯がどのような意味を持ち発展していったかを理解する。
遊戯の歴史と並行し社会の変化や人々の考え方について判断、習得する技術を身につける。 同時に現在世界各国で多くの愛好者を持つゲーム、遊戯に関する基礎知識とその歴史、社会的役割を知り、ビジネスや社会教育への応用についても理解を深める。 |
授業計画 |
【後 期】
1 遊戯文化史概論 2 チェス・将棋系ゲームの歴史(発生と伝播、西洋の将棋) 3 チェス・将棋系の歴史(東洋の将棋) 4 囲碁の歴史 5 競争系ゲームの歴史(サイコロの発明、双六系、バックギャモンなど) 6 各種伝統遊戯の歴史 7 カード系ゲームの歴史(トランプ、カルタ、花札など) 8 クイズ・パズル、麻雀系ゲームの歴史 9 各種伝統遊戯の現状(研究所見学) 10 テレビゲームの流行と現代の遊戯文化 11 デジタルゲームとアナログゲームの比較 12 ビジネスと遊戯(ゲームと確率) 13 教育・社会と遊戯(ゲームと心理) 14 ギャンブルとゲーム(法と文化、ゲーム理論) 15 遊戯、ゲームの将来(総括) |
成績評価基準 |
人類の文化史において遊戯がどのように変化、発展してきたかを理解しているか。
各種遊戯の基本的知識を身につけ、歴史、文化的な意味についても解釈できるか。 ゲームを社会や教育、ビジネスに活かしていく上でのプランを自分なりにイメージすることができるか。 |
成績評価方法 |
後期定期試験(70%)
レポート(30%) 出席調査を兼ねて講義の中で不定期にレポート・短文作成の機会を設けます。(3~4回程度) |
教材 |
授業のたびにプリントを用意します。 |
学習上の留意点 |
多くの人に遊ばれている主要な遊戯(ゲーム)に関して大まかなルールや遊び方など、ある程度事前に知識を得ておくと講義を効率よく理解できるでしょう。各種メディアを利用し、大まかで構わないので伝統遊戯に関する基礎知識を得ておくこと。 |
授業準備 |