シラバス照会 照会
2013年度
授業科目名 余暇政策論
担当者 美原 融
開講時期 後期 単位 2
サブタイトル
国や地方自治体が担う余暇やレジャーに関する政策、余暇(レジャー)と政策の在り方を考えます
ひとことガイド
余暇とは人間の自由時間のことだが、様々な制度や制約により公的主体がこの分野に関与することがある。国や地方自治体が関与するレジャーやリゾート、遊興・遊びに関する制度や規制を把握し、我が国の実態を知識として理解することにより、公共政策としての「余暇政策」を理解することがこの講義の狙いになります。
授業の概要
 如何なる事象であれ、知的好奇心を持つことは学問の原点になる。人間の遊ぶ行動や余暇の提供のあり方、その社会関係や人間関係も一つの学問の素材である。一見学問とは全く関係なさそうなレジャー施設やリゾート施設あるいはテーマパーク等の整備や運営、あるいはアミューズメントやエンターテイメント分野を学問の素材にし、公共政策としての考え方やその制度を概観することにより、わが国の制度の実態を把握し、社会的な効果や課題を考え、これら制度と市場の今後のあり方を考えてみるというのが本講義の目的でもある。

 この対象として、庶民の娯楽・余暇の一つの素材であるレジャー施設や、リゾート施設、テーマパーク等における過去、現在の公共のかかわりや、現在ある公営賭博や遊技等の分野における政策的なあり方や制度・社会規制のあり方等、今後の余暇市場におけるこれら分野の展開と可能性を考える。またここから派生する多種多様な現代的課題をも考慮しながら、現在政策論として立法府で議論されている新しい賭博行為としてのカジノをも対象とし、その効果や政策的課題、あるべき制度の方向性等を検討し、地域や社会との繋がり、市場性、その将来的あり方をも検証する。(尚、前期での講義「レジャーと法」は法制度を主体とし、後期の本講義は政策論を主体にするため、素材は一部類似的な側面もあるが講義内容は異なる)
授業の到達目標
下記を講義を通じて理解することを目標とする。
1)公共政策としての余暇政策とは何か、国や地方公共団体などの公的主体が余暇政策の実践にどう係わるか、過去どうかかわってきたのかを理解すること
2)観光政策や地域振興施策と余暇政策とのかかわりあいを理解し、公共が担うべき余暇政策とは何かという基本的な考え方を理解すること
3)我が国における余暇政策の大きな方向性と考え方を理解すること
授業計画
【後  期】
概ね下記内容順序に即して講義を行うが内容は変りうる。

1 公共政策としての余暇政策(余暇政策とは何か?)
2 我が国の観光政策1)~我が国観光政策の経緯と実態(統計から考える観光政策)
3 我が国の観光政策2)~我が国観光政策の現状と課題(制度の在り方から考える観光政策)
4 リゾート法とリゾート施設整備施策(国主導によるリゾート開発の経緯)
5 リゾート法の失敗と公共政策の在り方(リゾート法の失敗からみる政策の在り方)
6 官僚主導のリゾート施設開発とその失敗(年金・保険等を利用した官僚主導リゾート開発の失敗)
7 テーマパークと余暇施設への公的部門の関与(テーマパークとは?なぜ公的主体が関与したのか?)
8 テーマパーク(成功事例と失敗事例からみるテーマパークのありかた) 
9 公営集客余暇施設(図書館、博物館、美術館~成功事例と地域社会における余暇政策の在り方)
10 余暇政策としての賭博法制度 (余暇としての賭博と賭博法制度)
11 余暇政策としての公営賭博制度 (公的主体が担う賭博法制度)
12 風俗営業適正化法に基づく余暇施設と余暇政策 (民間主体が担うグレー領域と制度の在り方)
13 賭博法制と余暇施策の在り方(地域振興施策と税、弱者救済政策)
14 新たな余暇賭博政策の議論(カジノ、我が国で何がおころうとしているのか)
15 総括(余暇政策の現代的課題)
成績評価基準
講義を通じて下記を理解することが成績評価の基準となる。 
1)公共政策としての余暇政策という考え方の基本を理解すること
2)余暇に対する様々な政策手法のあり方となぜかかる政策が必要とされるのかという考え方を理解すること
3)社会生活における余暇という身近な分野における公共のあり方を認識し、理解し、公共政策の意義を自分自身の考えとして纏めることができるようにすること
成績評価方法
出席状況(40%)
 授業に参加し、講義をきちんと受けることを評価し、重視します。毎回出席票を確認すると共に、途中退席する者や授業中騒がしい者は出席とは認めません。他人の迷惑になる特に騒がしい者は特定化し、定期試験の点数を減額します。講義の後半遅れて参加する者も同様です。

定期試験(60%)
 評価基準に基づき、基本的な講義の内容を理解できたか否かを定期試験の対象にします。問いに対し、適切な文章表現や、的確な内容把握が出来ているか、表現力、文章力、論理力を確認します。
しっかりと講義に参加していれば、対応できる内容の試験とします。
教材
特段ありません。適時講義レジュメのプリントを配布することを考えます。講義に参加しない学生に後刻プリントを配布することはしませんので注意してください。
学習上の留意点
この講義は、一般教養的な側面もあり、何かを記憶する、覚えるという必要性はなく、公共政策の在り方や余暇政策などにつき、一般的知識を増やし、ものごとの考え方などを理解することを授業の主目的とします。
*要点は何か、各講義の目的は何処にあるのか、何がポイントかを毎回考えて下さい

毎回、前回講義のサマリーと要点を冒頭に実施します(各講義のサマリーは、1枚のサマリーとして2回に1回はプリントとして適時配布する予定です)これは要点は何か、全体講義の中で各講義はどう位置づけられるかを確認し、理解するためのものです。
授業準備
特段必要なし。