シラバス照会 照会
2024年度
授業科目名 文化政策と地域開発
担当者 狭間 惠三子
開講時期 後期 単位 2
サブタイトル
これからの文化政策とまちづくりを考える
科目の概要
文化政策とは、芸術や文化の振興を目的とした文化財保護や諸芸術活動への公的支援を指します。しかし近年、文化政策はそのような枠組みにとどまらず、経済政策や公共政策とのかかわり、あるいは都市・産業の発展への寄与が指摘されています。教育、医療、福祉等の幅広い分野で芸術文化の力が求められており、市民が主体的に活躍する地域社会の再生や参画型まちづくりにおける芸術文化の役割も大きくなっています。
本講義では、文化政策の基礎的な理論とともに、文化政策の国際比較を通して、各国の文化政策の特徴、文化振興についての考え方の違いを学びます。
また具体的な事例を通して、まちづくりにおける文化政策の意義を理解します。
授業の進め方
本講義では、まず文化政策とは何か、公共政策としての文化政策はどのように変遷してきたのかを知り、文化政策の基礎的な理論を学びます。
また文化政策の国際比較を通して、各国の文化政策の特徴、文化振興についての考え方の違いを学びます。
その上で、文化政策の新しい動向について具体的な事例を通して理解を深め、まちづくりにとっての文化政策の意義を理解します。
授業の到達目標
・文化政策の意義と一般的な枠組み、歴史的経緯とその理論について学び理解する。
・文化政策の国際比較を通して、各国の特徴、考え方の違いを知る。
・具体的な事例を通して、地域社会やまちづくりにおける文化、芸術の役割と意義について理解する。
授業計画
【後 期】
1 文化政策とは何か
2 文化政策の歴史と変遷
3 文化政策の理論的基礎
4 文化政策のマネジメント
5 文化政策の評価
6 文化政策の国際比較
7 地方自治体による文化政策
8 公立文化施設の公共性 ~ 指定管理者制度と文化政策
9 共同体と文化 ~ 震災復興に果たす役割
10 福祉とアート ~アウトサイダーアートと障害者の自立
11 行政と地域の連携 ~パートナーシップでつくる芸術センター
12 文化政策とまちづくり① 沖縄市 音楽のまちづくり 
13 文化政策とまちづくり② 堺市 歴史文化を活かしたまちづくり
14 文化政策とまちづくり③ 瀬戸内国際芸術祭
15 これからの文化政策

成績評価基準
①文化政策の歴史と変遷を知り、文化や文化政策が社会でどのような役割を果たしているのかを理解し、説明できるか。
②欧州、米国、日本の文化政策の違いを説明できるか。
③地域社会やまちづくりにとっての文化政策の意義を理解したか。
定期試験
学年末定期試験:なし
成績評価方法
①講義過程半ばで実施する中間レポート提出により、文化や文化政策の役割についての理解を確認する(30%) 
②期末レポートにより、地域やまちづくりにとっての文化政策の意義、文化と地域社会・人々の生活とのかかわりについての理解を確認する。(70%)
教材

種別 著者 書名 出版社 出版年
参考文献 狹間惠三子 瀬戸内国際芸術祭と地域創生 ー 現代アートと交流がひらく未来 学芸出版社 2023
参考文献 根木昭 文化政策学入門 水曜社 2010
参考文献 小林真里編 文化政策の現在 全3巻 東京大学出版会 2018
参考文献 後藤和子編 文化政策学法・経済・マネジメント 有斐閣 2001
毎回、テーマに沿った資料やプリントを配布します。よく読みこんで理解してください。
準備学習(予習・復習)等
文化による地域活性化の事例は、新聞や雑誌、テレビニュース等で報道されています。人や地域にとって、文化や文化政策がどのような役割をはたしているか、関心を持って接してください。文化政策は、その力の入れ方に差異はあるものの、すべての自治体が行っています。自分の住む町の文化政策はどのようなものかを調べたうえで、その意義や方向を考えてみましょう。
受講における注意点
配布する資料やプリントは、すべて保管・整理し、授業に持参するようにしてください。授業の中で、ミニレポートを書いてもらうことがあります。